多忙なビジネスパーソン同士は絶対に電話でやり取りをしない。

その理由は「相手の時間を強制的に奪う」ことを共通認識として持っているからだ。

ゆえに自分にとって不利益となる行為は相手に対してもやらないことが社会人としてのマナーだ。

災いはやがて巡り巡って自分に跳ね返ってくるのだから。

百歩譲って電話でやり取りを希望する場合は、以下のように事前に相手の許可を取るのが現代社会の新たなルールとなっている。

お世話になります、○○と申します。

電話対応を希望しており、要件は2点あります。

1. ○○について
→ 要点は「いつまでに」「誰が」「何を」「どうして」結果「○○をしたい」

2. ○○について
→ 要点は「いつまでに」「誰が」「何を」「どうして」結果「○〇をしたい」

1.は弊社にとって「緊急かつ重要」、2.「重要だが緊急ではない」テーマです。 

当方の都合のよい日時は

 ○○月○○日の○○時から○○時の間、または○○月○○日の○○時から○○時の間となります。ご多忙のところ恐縮ですが時間調整をお願いできれば幸いです。費用が発生する場合は見積もりをお送りください。

それではどうぞよろしくお願いいたします。


電話は「かける側の都合に左右される受け手にとっては強制的な伝達手段」、メールやチャットは「受ける側の都合に配慮した任意的な伝達手段」である。

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顧客:「大事な内容なので電話してもいいですか?」

私:「大事な内容であればメールしてもらってもいいですか?」

こうしたやり取りはどこの会社やコミュニティでも頻繁に起きていることだと思う。

特に高齢者であるほど、「大事な内容は電話で話すべき」とされていて、若年層であるほど、「大事な内容はメールやメッセージで残すべき」という傾向が強い。

顧客:「メールしたら大変失礼に当たると思いますので、電話でお話しできませんか?」

私:「いきなり電話がかかってくると私の優先順位が狂ってしまいますし、今やっている作業に集中できなくなります。後で確認するのでメール入れといてもらえますか?どうしても電話を希望される場合は都合のよい日時を23提案ください、双方にメリットがあれば時間を確保しますので。」

私はよほどのメリットがない限りは相手にアポ無で電話をかけることはしない。私の時間は私が支配できるが、相手の時間を支配できる権限は私にはないのだから。

よく言われる反論として「
文章を打つのが面倒くさいから簡単なことは電話で済ませればよいではないか?」というもの。これもたしかに一理ある、言いたいことはわかる。だけど通話ボタンを押す前に思いとどまってほしい。

だってそれはかける側の一方的な自慰行為(オナニー)であって、受ける側の都合を配慮できないわがままな人間ではないか。たぶんこういう感覚の持ち主は相互共同的合体行為(セックス)があまりうまくない人だと思う笑。

A君は納期が迫っていて、商品のコーディングミスがないか最終チェックしている最中かもしれない。
B君は商談中で、お客さんと飲みながら楽しく会話を盛り上げている最中かもしれない。
C君はナンパしたお姉さんを部屋に上げて、まさに今パンツを脱がしている最中かもしれない。

これは宣戦布告なく、相手国の時間的領土にいきなり核ミサイルを撃ち込むのと同じことだ。

もう何だったら出張先のホテルでムラムラしてデリヘルのお姉さん呼んだら、ドア開けた瞬間に思いっきり服の上から引っかけてしまうようなもんだ

これは、完全にテロ行為ですよ笑


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私自身、同時進行で数十件もの作業をマルチタスクでこなさなければならない立場になった今、「電話に出ない」という選択肢を取るビジネスパーソンの気持ちがよくわかるようになった。

結果として私自身も数年前から「電話に出ない」という選択肢を取らざるを得なくなった。

「電話に出ないほど忙しいのは、自己管理ができない二流の人間だ」という人もいるかもしれない。忙しいとは「人偏」に「亡くす」と書くので使ってはいけないNGワードだと言われるが、そういう低次元のレベルの話ではない。優秀なビジネスパーソンはみんなそれくらいの自己管理能力は持ち合わせているし、本来的に段取り能力が高い人たちなのだから。

優秀なビジネスパーソンが電話に出ない理由は、その人に案件が自然とたくさん集まって来てしまうため、選択と集中に戦略をシフトしないと業務フローそのものがパンクしてしまうのだ。

これだけ通信環境が整備された社会では、「全員がスケジュールを調整して、同じ時間に相互拘束されて、ある目的のために時間を合わせる行為」は非効率的だ。だから
極論を言えば、もはや会議をする意味はほとんどないだろう。グループチャットを作って、そこにどんどん情報を放り投げておけばい。あとは、みんなが空いた時間にメッセージを残しておけばその案件は十分まわせる。

資本主義社会の本質的なルールとは、「時間という有限の資源を効率化し、収益を最大化させていく効率最適化ゲーム」であるため、優先順位を徹底して管理できなければビジネスパーソンとして生き残ることはできなくなる。

ここでは「相手の時間を強制的に奪う」ということについて書いているが、何もビジネスパーソンに限った話ではない、本部と現場、管職者と社員、高齢層と若年層、旦那さんと奥さん、彼氏と彼女、パパと愛人、優先順位を持つ全ての組織や人々に当てはまるテーマだと思う。

こうすべきだという「べき論」を振りかざすほど厄介なものはなく、お互いがそれぞれの正義を主張するので収集がつかなくなる。だからいつの時代も戦争はなくならない。

この際はっきりさせよう、電話は百害あって一利なしだ。

スマホの通話機能は今すぐ廃止す「べき」だ 笑笑笑

Smart Phone

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想像してほしい。

朝、出社したらあなたはパソコンを起動すると思う。そこには新着メールが20件、LINEの未読メッセージが10件、What’s appの未読メッセージが10件、Facebookメッセンジャーの未読メッセージが10件入っていたとする。

この時点であなたが最優先でやらなければならないことは「優先順位をつける」という作業だ、例えば以下のように。

・フロー型属性の案件(継続的な収益)・・・「A

・スポット型属性の案件(一度きりの収益)・・・「B

×

1,000万円以上の案件・・・「S

1,000万円未満の案件・・・「A

100万円未満の案件・・・「B

・利益を生まない案件・・・「C

・意味不明な営業メール・・・「D」

×

・アジア時間終了までに終える案件・・・「X

ヨーロッパ時間終了までに終える案件・・・Y

アメリカ時間終了までに終える案件・・・Z

・明日以降に持ち越してもよい案件・・・P

飛んできたメッセージをその場でどんどん返してしまったら、どれが高収益案件でどれが低収益案件で、どれが非収益案件かわからなくなってしまう。これはビジネスパーソンにとっては自分の利益を最大化させるための非常に大事な作業なはず。なかには収益案件どころか、あなたから利益を奪おうとする負債案件も含まれている。ゆえに「優先順位をつける」という作業の優先順位は「S」ではなく「SSSpecial S)」に分類されるはずだ。この作業を怠ってしまうと、大きな落とし穴にハマってしまうリスクが高まることになるのだから。

自分自身がこのポジションで仕事をするようになると、周りもみんなこんな感じになるので大学生くらいがこの文章を読んでもなかなかイメージしずらいかもしれない。


上記の例でいえば、このビジネスパーソンは「A×S」の案件に最大限集中し、時間が余ったら「B×S」か「A×A」を2番目に持ってくれば費用対効果を最大化できることになる(※私の場合はフロー型のクライアントを重視するので目先の利益「B×S」よりも長期的にお金を落としてくれる「A×A」の案件を優先対応するようにしている。詐欺師の方はたぶん私と順番が逆になるはず笑)。


上記のように優先順位を決めて作業をしていて、いきなりかかって来た電話に出てしまうと「①それが何の要件」で「②どの属性の案件になるのか」がわからないまま優先順位に関係なく、強制的に割り込まれてしまうことになる。ゆえに、自己管理能力の高い人間は電話に出ないという選択肢を取ったほうが合理的なのだ。

みなさんも「LINEで既読がついたのに、なんであの人はすぐに返信してくれないのだろう?」と思った経験があるはずだ。その理由は受け手の立場になって考えてみればわかるはず。資本主義社会で戦う全てのビジネスパーソンは自らの利益を最大化させるための優先順位を持っている。あなたにとっては最優先事項でも、相手にとってはその時点ではたまたま最優先事項ではなかっただけの話だ。

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たとえばあなたが月給1,000万円のビジネスパーソンAさんに電話をかけることになった場合、あなたは以下の点を考慮しないと、Aさんに多大な機会損失を与えてしまう可能性がある。

Aさんは当然ながら多忙な(≒とても充実している?)人物なので月の休みは1回か2回程度。つまり1か月に30日くらい働くわけだから、このクラスになると毎日最低でも10時間は働いていると想像できる。

月収が1,000万円と仮定すると、1,000万円/30日で日給が33.3万円程度、10時間働くわけだから33.3万円/10時間=33,300円となり、Aさんの時給単価は33,300円となる。

もしあなたが安易な気持ちでAさんに1時間電話をするとしたら、Aさんには33,300円以上の金銭に見合う対価を支払えなければ、あなたはAさんにとってただの時間泥棒になってしまう。

きちんとギブ
&テイクを心がけよう。


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スマホの通話ボタンは実に怖い意味を持っていると思う。

「私は今とても自己満足を得たいという衝動的な欲求に駆られており、これ以上私自身のエゴを制御するための精神的余裕を持ち合わせていない状況となっております。そこで、あなたの現在の状況及びあなたの優先順位を一切考慮せず、自らの欲求を満たしたいがゆえに、あなたの許可なく、あなたの時間を強制的に奪うために、今からこのボタンを押します」

もしあなたがまさに今、誰かに対して通話ボタンを押そうとしているのであれば、ぜひ思いとどまってほしい。相手の時間を一方的に奪うことによって、あなたが相手に対して双方がWin-Winとなる時間を提供できるのかどうか考えてみてはいかがだろうか?

マジで事前の予告なくいきなり電話をかけてくる行為はマナー違反だという事にいい加減気づいてほしい。タスクが溜まっている時に「通話を切る」ボタンを押す時間とエネルギーがもったいないので

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【スマホの通話ボタンは何のためについているのか?】

スマートフォンは非常に便利なシロモノで、もはや電話ではなく携帯可能なパソコンとなっている。もともとは携帯電話にパソコン機能を持たせたものだが、今は主従関係が逆転して「いちおう電話もできる超小型パソコン」という表現が正しいと思う。

全てが指先のスライドだけで簡単にコミュニケーションが取れるデジタル時代になった今、スマホにはなぜアナログ時代を象徴する通話機能がついているのだろうか?

現代社会において電話をかける場面というのは人命に関わるような逼迫した場面だと思うので、警察とか救急車を呼ぶ時くらいではないのかな。あとは、あえて付け加えれば飛行機に乗り遅れそうな時に便を変更する場合、待ち合わせ10分前の確認など。


私は個人的にスマホの通話機能は「付き合ってはいけない人間を選別するために使う」のが正しいと考えている。どうしても相手の時間を強制的に奪ってよい場面というのは、おそらく人命にかかわる時くらいだろう。

毎日いろいろな案件をいただけることに感謝する一方、いかなる顧客も生まれや育ち・国籍などによって差別してはならないと思っている。しかしその一方で、顧客は格付けをし区別しなければならない。なぜならば、どこの会社にも仕事の進め方には統一ルールがあり、ひとつの例外を作ってしまうと全体的な相対的平等が損なわれてしまうからだ。

現在、時差の異なる5か国の会社それぞれに電話対応スタッフを置いている。そこではすべての電話は折り返すという共通ルールを導入している。

 

入電日時:○○月○○日 ○○時○○分

顧客名:○○様 先方担当者:○○様

担当者:△△宛

要件:○○様より××の内容について問い合わせがありました。つきましては、

1.先方より○○時に再度入電予定あり、引き継ぎ対応をお願いします。

2.弊社△△より○○時に折り返す旨を伝えました、引き継ぎ対応をお願いします。

  →折り返し連絡先:65-1234-5678

※1.か2.に〇をつけ担当者に引き渡してください。 

 

電話は基本的に折り返し対応とし、基本的に折り返さないという業務フローが正解だと信じている(笑)。

いや、適当に折り返すんだけど、「せっかくお電話をいただき恐縮ですが、弊社大変混雑しておりまして、新規の案件をお引き受けできない状況となっています」と回答し、電話による仕事は原則として引き受けない(よほどのメリットがあれば別)。だって、電話をかけてくる時点で私は自動的に面倒くさい顧客認定するのだから。

電話で仕事を引き受けることは、自ら課したルールに違反することになり、例外だらけになってしまい、優先順位のフローに収集がつかなくなってしまう。

それが例え大型案件であってもその利益を放棄できる勇気がなければ、それと引き換えに私自身が破滅してしまう。

「私はアナログ世代だからどうしても電話で、、、」という方がいるが時代とともにルールそのものが変わった以上、ルール変更には従ってもらう必要があると思う。

極力柔軟には対応するが、基本的なルールは守ってもらう(例:電話→指が使えない方、メール→声が出せない方など)。それができない人間とは一切付き合わない。

私は金融機関のトレーダー出身なので、ルールを破り例外を作ることのリスクを誰よりもわかっていると思っている。
時として、自分が決めたルールを破って大きな収益を得られることもある。
でも、それは一時的な所得(スポット収益)であり、そこから継続・反復性は生まれないのだ。

こういう事を書くと、「それではこれからユーディーさんに電話できなくなるじゃないですか」と言われてしまいそうだけどそれでいいんだよ笑。

会った時にゆっくり話すればいいんだから。

私の言いたいことはとてもシンプルで、「いきなり電話かけて来んじゃねーよ」ということ。

マジで、マジで
「いきなり電話かけて来んじゃねーよ