去る11月14日のこと。
民主党の野田政権が衆議院を解散し、12月に総選挙を行うと発表があった。
遂に来たーーー!
自民党側はここぞとばかりに、デフレ脱却を目指すと発言した。
解散総選挙では、自民党が圧勝し第2次安部政権が誕生するだろう。
いわゆる「アベノミクス」というやつだ。
まぁ、ほぼ確実だろう。
私は今、シンガポールでこのニュースを聞いている。
私の財布の中には、シンガポールドルが入っている。
ふと脳裏に98年のアジア通貨危機がよぎった。
ここ数日間、私の財布の中の通貨価値が突然暴騰している。
そう、私は今この瞬間、アジア通貨危機の真逆の現象の真っただ中にいる。
何とも不思議な感覚だ...(笑)
普段モニター画面の前で取引していても、この感覚はなかなか理解できるものではない。
社会は決して2次元の世界だけで成り立っているものではないことを身を以て実感している。
日本経済はとうとうデフレから脱却できるのか?
インフレが起こった場合、もっとも得をするのは通貨価値が下がるのを望んでいる人間だ。
つまり、大量の借金を抱えている人間=日本政府ということになる。
おそらく、これがラストチャンスだろう。
これから安部政権は、大きな勝負に出るはずだ。
今の日本政府の抱える莫大な借金を返すためには、
①インフレを起こし借金の返済負担を減らす
②増税して返済に充てる資金源を確保する
上記の2点しかない(他にも方法あるのかな...)。
消費税は確実に5%から8%に上げるだろう。
そしてゆくゆくは10%へと。
(うまい棒が11円になっちゃうよー)
連続的に金融緩和を実行すれば、一方通行的に相場が上がって行くのだろうか?
一方通行的に相場が上がって行くのだろうか?
一方通行で?
ホントに?
今の日本のマーケットはファンダメンタルによる期待感で株価がどんどん騰がっている。
こうなると、テクニカル分析が全く機能しない。
強烈な上げ相場到来、パラダイムシフトの予感だ。
金融緩和によって、
水(金)の量を増やす。
↓
水面(株価)が上がる。
↓
水(金)の量をさらに増やす。
↓
水面(株価)がさらに上がる。
年末に書店を覗いてみてほしい、
日経平均20,000円説、30,000円説の書籍が店頭に平積みになっているだろう。
ただ、忘れてはならないことが1つだけある。
買いが買いを呼ぶ相場、信用取引の期限は6か月だ。
まだ数日しか経っていないが、今、市場参加者が増えて急激にマーケットに資金を投下するとどうなるか考えてみてほしい。
今日から6か月後は2013年の5月19日だ。
2012年11月14日 半年後→ 2013年5月14日
2012年11月15日 半年後→ 2013年5月15日
2012年11月16日 半年後→ 2013年5月16日
アベノミクスは、現段階で何も成果を上げていない(そもそもまだ誕生していないが)。
あくまでも期待感から買われているだけだ。
1か月後、2か月後は調整が入らずに上がって行くだろうけれども、3か月後くらいにいったん調整が入るのかな。
さてさて。
先週、今週、株式や外貨を買った人物は、果たして2か月後3か月後に手仕舞うだろうか?
人間とは自分にとって都合のよい解釈をする生き物だ。
まだ上がる、まだ上がる。
信用期限を迎える6か月後が怖いと思うのは私がチキンだからか。
データ分析が得意な方がいれば、過去の強いトレンドが出た半年後に何が起きたかを検証してみてほしい。
また、「どこで出来高が急激に増えたか」も併せてチェックするとよいだろう。
いずれ彼らは利益確定をする日が来るからね。
ジャングルで二人の男が虎に遭遇した。
ひとりは一目散に駆け出した。それを見たもうひとりは
「ムダな真似はするな。虎と駆けっこして、勝てるわけないだろう?」
もう一人の男は振り返りながら言った。
「そうじゃない、俺はお前より速く逃げようとしているだけだ。
なぜなら虎は一番弱い相手を餌食にするからさ」
せっかくなので、さらに付け加えておくと、
おそらく円安が進行する(と思う)
↓
そうなると資源価格・燃料価格が高騰する。
↓
製造物の原価が上がる。
↓
商品価格に上乗せされる。
↓
おまけに消費税が上がる。
↓
増税分が商品価格に上乗せされる。
さてさて。
景気は本当に回復するのかな?
物の価格が上がってインフレになったとして、企業は果たして人件費を上げてくれるだろうか?
インフレの正体が「円安による資源価格高騰分の上乗せ」と、「消費増税分の上乗せ」というオチではないのか?
そうだとすると、アベノミクスの本質は「消費税を上げる」ための名目に過ぎなかったいう笑えない話になる。
物価が下落し、所得も下落する → デフレーション
↓
物価が上昇し、所得も上昇する → インフレーション
ならいいけど、
物価が上昇し、所得は下落する → スタグフレーション
結果的に、スタグフレーションになりそうな気がするのは私だけだろうか?
企業側は、金融緩和はいつまでも続かない一時的な刺激策だと考えれば、人件費を上げずに内部留保にまわすだけの結果になるのではないのか?
金融緩和をやめる
↓
水面(株価)が下がる
↓
人件費が横ばいまたは下がる
↓
でも、消費税率は下げずにそのまま
(かつてデフレになっても消費税は下がらなかったことは承知のとおり)
↓
増税を嫌がる富裕層は海外へ逃げ出す
↓
納税者が減る
↓
残った納税者で税金を負担する
↓
残った納税者の負担が増える
これ、最後どうやって終わらせるつもりなんだろう?
※殴り書き失礼しました。
私はマクロ型のトレーダーではないから突っ込みは入れないように...
モニター画面の外もきちんと見ないと感覚がおかしくなりますね。
なお、上昇方向に確信が持てず、両建てポジションを組んだものの、12月限の85プットを大量ロスカットしたのはここだけの話...