空をこえて ラララ星のかなた

ゆくぞアトム ジェットのかぎり


2003年の47日は鉄腕アトムの誕生日だそうだ。だから明日でアトムは5歳ということになる。

アトムよ、おめでとう!

故・手塚治虫氏が鉄腕アトムを描いたのが戦後から
6年後の1951年、今から50年以上も前のことだ。

アトムは原子の核融合をエネルギー源として動くので、広島・長崎の原爆投下の皮肉を込めて書かれたのだろうか。

「火の鳥」「ブラックジャック」
etc、手塚ワールドは描くテーマが非常に深い。

それにしても、
50年後の未来に原子力エネルギーの恩恵を受けて、社会のインフラが成り立っていることを予言していたとしたら、彼は漫画家の姿をした予言者だったのではなかろうか。

原子力エネルギーに支えられた社会。。。。


で、

私が言いたかったのはそこではなくて、

鉄腕アトムの歌詞は次のようにつづく。

 

心やさしい ラララ科学の子

十万馬力だ 鉄腕アトム



 「心やさしい」科学の子。

そう!アトムには心がある。

なるほど、手塚氏はアトムに心を持たせたのか。

ではなぜ、手塚氏はアトムに心を持たせたのだろうか。


鉄腕アトムのアニメを観ると、悪いことを考える機械と戦うアトムの勇敢な姿を見ることができる。

「ロボット=悪」のようなイメージを持つ人が多いが、なるほどアトムのようなロボットもいるのかと思うだろう。

もっとも、機械には本来、善悪を判断する能力はないのだが
...


おこがましく結論を言えば、機械は社会を合理化するための手段にすぎない。

ゆえに「合理化」の言葉には善悪のモラルは含まれないことになる。

人工知能の研究が盛んなようだが、「
0」と「1」しか認識できないコンピューターに「モラル」という数値化できない部分を関数として表現させる能力を、人間は持ち合わせているのだろうか?

 

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合理化 → 社会通念上善悪の区別なく、費用対効果を最適化する作業

効率化 → 社会通念上善悪の区別をし、より良い社会を作るための最適化作業

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上記、私の解釈は間違っているかもしれないが。


今、私のいる金融業界ではコンピュータのアルゴリズムを使って、人間の感情を挟まずに予め条件式を設定しておくだけで、マーケット分析、注文執行、手仕舞いなどを全自動で行う取引が主流化している。

さらに、ミリセコンド(
1秒以下)で売買を繰り返す超高速取引の走行実験が盛んに行われている。


手塚氏は、機械と人間が共に生きる世界を描いた。

そこには、無機質に動く社会に対する恐怖感、そして、機械と人間が仲良く暮らせる理想的な世界観が絡み合った複雑な心境を吐き出したものだったのだろう。


近い将来、機械は人間の手元を離れて暴走する日がやってくると思う。

人間の手元を離れたアルゴリズム同士が超高速で瞬時にぶつかり合う金融取引の世界。

近くで見ていて言葉にできないほどの感動と恐怖を覚える。

トレンドが出た方向に仕掛けるプログラムがエントリーのタイミングを判断したとき、
マーケットは一斉に一方通行に偏った極度のバイアスがかかるだろう。

いずれ、これが原因となり、マーケットが大暴落を起こす日も近いかもしれない。


人間にはマネージャーという管理職がいて、
プレーヤー各自のタスクを管理する役割がいる。

①「営業に出かけたふりをして、パチンコに行った営業マンに仕事をさせて売り上げを上げさせる

②「営業に出かけた営業マンが利益を上乗せした契約書と本来の契約書に巧妙に捺印を押させて利ザヤを稼ぐのを見抜く

上記
2つの例は別次元の問題だ。


「合理化」により最大のパフォーマンスを求めるのと、善悪の判断ができる「効率化」は別次元の話だ。

機械が人間の手元を離れて独り歩きを始める日、機械を管理できるモラルを持った機械を作ることが同時に求められると思う(矛盾する主張ではあるが)。

繰り返すが、「合理化」と「効率化」は違うのだ!


行き過ぎた合理主義はやがて破滅する。

人工知能の研究開発も、機械に心を与えるための壮大な試みだ。



かつて、天と地を創造された神は、私たち人間を創造した。

神は全ての生き物を治め、この世界をより完成された理想のものにするために、私たち人間に心を与えたという。

その人間が、今度は自らが創造した機械に心を与えようとしている。

機械に心が入り、私たち人間とコミュニケーションを取れるようになったら、

世界は今よりも理想的になるのだろうか?

その時、私たちは、機械と友だちになることができるのだろうか?



手塚氏の描いた世界を
50年後を生きる私たちに実現できる日は来るのだろうか。。。