柱の裏の落書き

ひまつぶしにぶつぶつ書いてみる

国際分散投資①~資産運用を始めよう~


グローバル社会はヒト・モノ・カネ・情報が国境を越え、ボーダレスに移動する時代。

世界はひと昔前に比べればだいぶ身近なものになったし、
ITインフラが発達したおかげで、私たちの生活の多くは物理的な制約から解放され、国境を越えて地球上を自由に動き回ることができるようになった。

金融の世界でも同様に、海外に資産を持つ日本人の数は、ひと昔前に比べて増加傾向にあるという。その理由としては、お金が国境を越えて瞬時に移動するボーダレス経済のなかでは、自国のみで資産を運用するよりも、経済成長が見込める他国への投資を組み合わせたほうが、より多くの利益を得ることが期待できるからだろう。これは期待収益率の観点からは正しい考え方だといえる。

さらには、日本という国家自体の将来に対する危機感も、昨今の海外投資を大きく後押ししているといえる。現在、日本は
1,000兆円を超える膨大な額の借金を抱えており、恒常的な財政赤字に陥っていることは、皆さんもよくご存じのとおりだろう。私の周りでも国家破綻への警戒感から「資産防衛」を目的として、「投資」という名目で海外に財産を移転している富裕層の方も少なくない...。

*****

【日本人よ、世界に投資しよう!】

そもそも、世界的に見れば、富裕層と呼ばれる人たちが自国以外に財産を持つことは決して珍しいことではない。
世界の富裕層の多くは、今後起こりうる経済環境の急激な悪化や自国の財政危機などを想定し、自国もしくは主要国のみの偏った資産保有を避け、分散して資産を保有する傾向にある。さらには、値動きの異なる資産をバランス良く組み合わせることで、「長期」・「安定」・「分散」を基本とした資産運用を実現させている。 

国際分散投資①

たしかに、ひと昔前までは世界中に分散投資をするためには膨大な資金が必要とされていたため、国際分散投資のイメージはどこか世界的な大富豪のみが実践できる特別な投資方法のように思われるかもしれない。

しかし、今ではわずか数千円程度の少額資金からでも複数の先進国や新興国の主要な企業の株式に分散できる商品や、国債や社債などの海外債券に分散投資できる商品も幅広く販売されており、リスクを抑えながら安定した利回りを実現できる国際分散投資が、一般の個人投資家層にまで急速に普及することになった。

日本という国の将来を考える時、国内のマーケットは少しずつ縮小し、今までのような経済成長は残念ながら望むことはできないという意見が多い。私は、―決して偉そうに言える立場ではないが―、これからは日本という国自体のポジションを経営者から投資家へと収益モデルをシフトチェンジしていく必要があると思っている。

そのためには、まずは個人投資家が積極的に海外投資を実践することにより、日本そのものを投資国家に姿形を変えていく必要があるのではないか。これによって、長期的な観点から見ても、人口減少による致命的ないくつかの問題点を海外からの配当収益によってカバーすることができるのではないだろうか?

少子高齢化

投資はしっかりとした知識を身につけることで、大きな損失を出すリスクを減らし、安定したリターンを生み出す効果が期待できる。このブログを読んでくださっている個人投資家の皆さんには、ご自身の資産を世界に分散して投資することで、世界経済の成長に貢献していただければと思う。

*****

【インフレヘッジとしての国際分散投資】

国際分散投資により、複数の国や地域、商品に資産を分散して保有することはインフレ対策としても非常に有効な手段となる。

インフレ率(%)資産を半減させる年数(年)
236
324
514
711

インフレは一般的に過小評価されているけれども、年率2%程度のインフレが続くと仮定した場合、購買力は36年で半減する。仮に年率3%のインフレが続けば、購買力は24年以内に半減し、次の24年でさらに半減してしまう。

年率3%のインフレが続いた場合の購買力
現在の価値24年後48年後72年後
10,000円5,000円2,500円1,250円

厚生労働省の「平成27 簡易生命表」によれば、現在の日本人の平均寿命が男性:80.79歳、女性:87.05歳とされていることからも、これは明らかに重大な問題といえる。

なぜなら、額面上の資産が増加してもインフレにより物価が上昇し、実質の資産価値そのものが目減りしてしまえば、何の意味も成さないからだ。

さらに、何のインフレ対策も講じなければ、贈与や相続の際、承継できる資産価値が大幅に目減りしてしまうことになる。
日本人の多くは預貯金が大好きなことは重々承知しているが、これからは現金だけではなく、インフレに強い資産も積極的に組み合わせていく必要があると思う。

*****

【資産運用を始める前に】

資産運用と聞くと、高利回りで資産を殖やすことをイメージされる方が多いかもしれない。

しかし、資産運用において大切なことは、「
資産を極力減らさないように、少しずつ安定して殖やすこと」であるといえる。

資産運用の本質高利回りで資産を殖やすこと → ×
資産を極力減らさないように、少しずつ安定して殖やすこと → 

これから資産運用を開始される方は、まずはご自分が取れるリスクの限界の範囲内を定め、目的を達成するための長期的な投資計画を立案されることをおすすめしたい。

そのためには、資産配分方針を策定し、市場の変動に左右されず、機械的に自らが決めたルールを守っていくことが重要であり、具体的にどれくらいの期間で、どれくらいの資産を確保したいのかを投資を始める前に逆算し、明確に設定しておく必要がある。

・20
代、30代の方々の資産設計

20代、30代の方々は、これから資産をじっくり形成し、殖やしていく世代となる。この世代の方々は、老後の準備資金や子どもの教育資金など、具体的な目標を立てる必要がある。最終的に目標金額に到達すればいいわけだから、日々の価格の変動や市場の誘惑に一喜一憂する必要はない。決して目先の短期的なリターンを追いかけるのではなく、10年、20年といった長期に渡る投資計画を立て、積立によって少しずつ元本を追加しながら資産運用を継続できる仕組み作りが重要となる。

・40
代、50代の方々の資産設計

40代、50代の方々の中には、すでにある程度の金融資産をお持ちの方も多いことと思う。資産規模が大きくなり、年齢が高くなるにつれ、資産形成期とは異なった資産運用を検討する必要が出てくる。すなわち、若い世代と異なり、これからは資産を減らさない、守るという発想に切り替えて行く必要がある。人生において最も高いリスクのひとつは、将来働けなくなった時にインフレの打撃を受けて、生活資金が目減りしてしまうことではないだろうか?

*****

【リスクとリターン】

お金のことを考えるとき、最も基本となるのはリスクとリターンの関係だ。

図1

リターンというのは「投資したとき、どのくらい儲かるかという利益」のことをいう。

その一方、リスクとは「危険性」であると誤解している方もおられるが、投資の世界ではリスクとは「変動」のことをいう(
これは投資の世界では明確に定義されている)。言い換えれば、リスクが高いというのは「変動が大きい」状態のことをいい、リスクが低いというのは「変動が小さい」状態のことをいう。

リスクが大きい(ハイリスク)変動(値動きのブレ幅)が大きい
リスクが小さい(ローリスク)変動(値動きのブレ幅)が小さい

なお、リスクとリターンには、必ず以下の関係が成り立つ。

リスクとリターンハイリスクハイリターン
ローリスクローリターン

資産運用の本質とは、「リスクをどのようにしてどこまで取るのかを予め設定し、超過リターンを狙う行為」であるといえる。

リスクを取らなければリターンは得られない。リスクを取らずしてリターンだけ得ることは不可能だ。なぜなら、リターンの源泉がリスクである以上、リスクが小さい商品からは大きなリターンの源泉が生まれるはずがないからだ(厳密にいえば無リスク裁定という行為があるが難しいのでここでは書かない)。

もっとも、リスクを取っても必ずしもリターンがあるとは限らない点には注意が必要だ。あくまでもリスクを取ることによって、高いリターンが得られる可能性が高まるということ。

しかし、残念ながら、リスクを取れば必ずリターンが得られるという保証はどこにもないことは投資の難しいところでもあるのだが
...。

*****

【短期集中投資から長期分散投資へ】

金融市場は投資家にとっては誘惑が多いのも事実であり、投資家の多くは、注目を浴びている銘柄を買いたくなるものだし、あるいは保有している商品が値下がりすれば売りたくなってしまうものだろう。

本来であれば、世間から注目されているような割高な銘柄は売り、注目されていない割安な銘柄を買うべきなのだが、どういうわけか多くの投資家は割高な銘柄を買い、割安な銘柄を売るといった真逆の行動を取ってしまっているのが現状のようだ—―。

資産運用においてもっとも重要なことは、「市場の誘惑に惑わされず、機械的に運用を継続する」ことにある。市場の誘惑に惑わされないためには、まず、運用の基本方針と目標を決めること。そのためには、「どれくらいの期間で、最終的にどれくらいの資産を確保したいのか」を明確に設定しておく必要があるといえる。

*****

【投資のプロの
80%は市場平均に勝てない

資産運用には大きく分けて、アクティブ投資とインデックス投資の
2つの運用スタイルが存在している。

アクティブ投資市場平均よりも多くの利益を獲得するために銘柄を絞って集中的に投資を行い、市場平均を上回るように運用する投資方法
インデックス投資株価指数を構成する全ての銘柄に分散して投資し、市場平均と連動するように運用させる投資方法

アクティブ投資は一時的には大きく利益が出ることもあるが、その一方で予測が外れてしまった時の失敗も大きく、ハイリスク・ハイリターンな投資方法であるといえる。実際に、機関投資家が運用するアクティブファンドの80%は市場平均(インデックス指数)を下回っており、「投資のプロでさえも継続して市場平均を上回ることは難しくなっている」のが現状だ。

さらには、長期的に市場平均を上回った運用機関を絞り込むと、その数はさらに少なくなり、しかも投資家であるあなたがそれを事前に知ることは極めて難しいといえる(※ここでいう
80%とは投資のプロの全体の数値なので、個人投資家を含むと全体では95%以上が市場平均を下回っていると考えられる)。

もちろん、その中には市場平均を上回るトップ
20%のアクティブファンドも存在することは事実だが、それだけ優秀な運用機関があるとすれば、それはすでにマスコミや週刊誌で注目され、私たちも知っているはずだ。しかし、あなたにそれがわからないとすれば、やはりインデックスファンドに投資したほうが賢明な選択であるといえるのではなかろうか?

*****

【運用の基本はインデックスファンドを活用すべし】

インデックス投資は市場平均に連動する商品を保有するだけの非常にシンプルな投資方法のため、大きな成功は期待できない反面、長期的にみれば安定した収益を実現することが期待できるローリスク・ローリターンな投資方法であるといえる。

IMF(国際通貨基金)が予想する世界全体の平均年間GDP成長率は3%4%程度と言われているので、インデックスファンドを保有し、世界経済の成長率の波に連動させておけば、世界の経済成長率と同様のリターンが得られることになる。

国際分散投資④

世界の経済成長率の水準を遥かに上回る運用方法の先にあるのは奪い合いのゼロサムゲームの世界に他ならない。ここには、前提として、一部の勝者のために敗者が多数存在する必要がある。

安定した資産運用、資産保全のあるべき本来の姿とは世界経済の成長率を享受するプラスサムの世界であるといえるのではないだろうか?

これから資産運用を始められる皆さんは、インデックスファンドを活用することにより、「最小限の労力(費用対効果)で平均点を取ることが可能」となるため、積極的に活用されることをおすすめしたい。

*****

【コラム①:金融機関のトレーダーは何に投資しているのか?】

金融機関のトレーダーをしていた頃、クライアントによく聞かれる質問があった。

それは、「
あなたたちトレーダーは可処分所得を一体何に投資しているのか?」という質問だった。

個人投資家の多くは「
金融機関のトレーダーは投資のプロだから、家に帰ってもトレードに精を出しているに違いない」と思われているかもしれない。

しかし、その答えは
NOだ。そもそも、証券取引法ではフロントランニング(金融機関のトレーダーが業務でポジションを取る前に自己資金を投資して利益を得る行為)は厳格に禁止されているため、給料を自己のトレード資金に充てることはできない(一応そういうルールになっている...)。

というよりも、法律以前に金融機関のトレーダーはそもそも家に帰ってトレードをする時間が存在しない。トレーダーという職業にはそもそも残業という概念が存在しないので、起きている時間はすべて会社の利益に貢献すべく「現金製造機」になることが要求されているのだ。それができなければ翌朝出社したら、自分のデスクはなくなっているだろう。

私が知る限り、金融機関で働くトレーダーの多くは機械的に資本を積み立てながらコツコツと地味に投資をしている。なお、ここでいう投資とは一般的に言われている「
安く買って高く売る」という行為ではない(これは投機性収益の獲得を狙うトレード行為そのものに他ならない)。

何とも皮肉な話だが、金融機関のトレーダーの多くは「銘柄分析」もせず、「値動きのチェック」もせず、「売買」もせず皆さんの想像とは全く異なる投資を実践しているのだ。

これから数回にわたって国際分散投資を例に投資の超基本的な内容を書いていくが、ここでの内容は金融市場(マーケット)に対して常に中立的(ニュートラル)な立場を採用していくこととする。「どのタイミングで買うのか?」「どのタイミングで売るのか?」「何に投資したら儲かるのか?
といった内容に関しては一切触れないので、トレードがうまくなりたい方はあまり参考にはならないかもしれない。

私はトレードが趣味の方を否定はしないし、むしろ多くの日本人が積極的に金融市場に参加することは非常に好ましいことだと思っている。だけど、トレードがうまく行かない方はトレードそのものを辞めてしまったほうがいい。また、時間の無い方は平均点だけ狙って行けば十分だ。

金融市場は常に誰にでも開かれている。それは決して機関投資家だけのものではないし、フリーターの方、派遣社員の方、主婦の方、会社員の方。たとえお金がなくても、時間がなくても、投資は実践できるということを少しでも多くの方にお伝えできればと思う。

国際分散投資②~分散・積立・インデックス】へ続く

*****

(参考:カン・チュンド
忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術)アスカビジネス、2009
参考:山崎元、水瀬ケンイチ「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド朝日新書2015年)
(参考:内藤忍「内藤忍の資産設計塾【第3版】あなたとお金を結び人生の目標をかなえる法」自由国民社、2015年)
参考:チャールズ・エリス「敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか」日本経済新聞社、2003年)
参考:ハワード・マークス「投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識」日本経済新聞出版社、2012年)

インフレ脳とデフレ脳


とある中東の王様が自分の帝国の危機を救ってくれた将軍に感謝して、「何でも望み通りの褒美を取らせよう」と言った。

将軍は遠慮深く、「縦横8マスのチェッカー盤の1マスに小麦1粒、次のマスに2粒、3番目のマスに4粒、4番目のマスは8粒と順番にマスを埋めてください」、とだけお願いした。

王様は莫大な褒章を与えずにすみそうだと思い、喜んで彼の提案を受け入れた。

しかし、不幸なことに、王様は複利の恐るべき破壊力を知らなかった。どんなものでも64回も倍増させれば、小麦の粒は際限なく膨れ上がることになる。

この話では、1粒から始めて2粒、4粒とマスを埋めていった小麦の総量は、やがて帝国全体の富をはるかに超えてしまった。王様はアッラーの前での名誉を守るべく、彼の帝国すべてを将軍に差し出した。

*****


・複利の破壊力

複利の破壊力は恐ろしい。

私たちが冒頭の話から学ぶべきは、「正の複利効果を享受することができれば私たちの富は何倍にも膨れ上がり、これとは反対に負の複利効果を享受してしまうと私たちの富は瞬く間に失われてしまう」という教訓だ。

正の複利効果を享受できる代表的な手段としては、「株式投資」や「不動産投資」があげられ、反対に負の複利効果を享受できる手段はもちろん「借金」があげられる。

もっとも、借金にも「良い借金」と「悪い借金」があり、両者は受け取るお金と支払うお金の差分によって善悪が決まるとされる(少なくとも会計上はそういうことになる)。
CompoundInterest

・正の複利効果


「良い借金」の定義は、「お金を借りて収入を買う」ことをイメージするとわかりやすい。このゲームに参加すると、「時間」+「金利」を味方につけることができる。

たとえば5%の金利で銀行からお金を借りて、利回り10%の不動産に投資したとする。単純計算だが、物件の購入価格が3,000万円であれば、年間家賃収入は300万円、年間支払い金利は150万円、トータルで150万円/年の利益になる(つまり3,000万円を投資して150万円の年収を買ったことになる)。

さらに、この
150万円を使わずにせっせと貯めて行き、現在の物件とともに貯めたお金を担保(頭金)として差し入れる。そして、できるかぎり借入総額を減らし2件目の物件に投資する。このゲームを3件、4件と繰り返し行うと、あなたの資産は時間の経過とともに加速度的に増加していくことになる。

つまり借金をして収入を買うというのが、不動産投資ゲームの本質である。どういうことかと言うと、ここでいう不動産は手段に過ぎず、対象物は別になんでもいい。なぜならば、安い金利でお金を調達し、それよりも高い収益を見込める対象物から余剰利益を吸収する行為そのものが、このゲームの本質であるわけだから、例えば
1%でお金を借りて5%の金利が付くような預金口座に資金をスライドさせれば(これをキャリートレードという)、理論上は年利4%の金利裁定スキームを作り上げることができる。

もっとも、両者には空室リスクや金利変動リスクはあるが「裁定取引」というゲームの本質だけを考えれば、基本ルールは全く同じことで、やっていることの本質は単純なサヤ取りをしているだけだ。


・負の複利効果


一方、「悪い借金」の定義は「お金を借りて収入を売る」パターン、いわゆる自転車操業というやつだ。

たとえば5%の金利で銀行からお金を借りたとする。単純計算だが、借入額が300万円であれば、年間の金利支払い額は15万円になる(つまり300万円を投資して15万円の収入を売ったことになる)。

さらに、この
15万円を返済するために追加で100万円の借り入れを行うと、借入総額は400万円となり、毎年20万円の収入を売るハメになる。この自転車操業を3件、4件と繰り返し行うと、あなたの資産は時間の経過とともに加速度的に減少し、やがて破たん、担保をすべて差し押さえられゲームオーバーとなる。

冒頭の王様の話を思い出してほしい。一見すれば「その程度か」と思うような条件でも、その裏には負の複利効果が働いていることを忘れてはいけない。

このワナに一度ハマってしまうと「時間」+「金利」を敵にまわすことになり、あなたの収入の一部は、継続的に誰かの収入の一部になる。誰かというのはもちろん「銀行」などの金融機関だ。彼らは預金者から割安な金利でお金を調達し、企業や個人に割高な金利でお金を貸し出す。預金者にタダ同然の金利で膨大なお金を吸い上げ、個人や企業に3%5%で貸し出せば、その差分が彼らの収入になるのだから何ともおいしい商売なのだ。


*****


・キャッシュインとキャッシュアウト


たしか「隣の億万長者」か何かの書籍で読んだと記憶しているが、あなたの財産は「収入―支出」で全て決まるというもので、お金持ちになるためには必ずしも高額所得者である必要はないといった内容だったと思う。

つまり、年収1億円稼ぐAさんは生活水準を上げ、8,000万円も使ってしまえば2,000万円しか手元に残らない。しかしその一方、年収1,000万円しか稼がないBさんでも質素な生活をして生活費を300万円に抑えることができれば700万円が手元に残ることになる。Aさんの利益率は20%、対してBさんの利益率は70%。言うまでもなく、Bさんのほうが少なくとも経済合理的な生活を送っているということになる。

つまり、お金持ちになるためには「利益を最大化」するだけでは不十分で、「コストも最小化」する仕組みを考える必要がある(これを「キャッシュフローマネジメント」という)。

利益の最大化」と「コストの最小化」は自転車の両輪のようなもので、片方だけ回転させても意味がない。両者をバランス良く考えていかなければならないのだ。

あなた自身のキャッシュフローを最適化させるためには、現在のキャッシュフローがどうなっているかを把握し、どのように最適化していくのかを考えることから始まる。これは会社の経営と全く同じことだ。

どうしたらコストを最小化できるのか?

どうしたら利益を最大化できるのか?

つまり、手元にお金を残す方法を長期目線で戦略的に考えて行く必要がある。

一般に、キャッシュフローはキャッシュインとキャッシュアウトの2つの性質から成り立っており、以下の6種類に分類することができると思う。


・キャッシュインを最大化する方法

① お金を使って、収入を増やす方法

② お金を使わずに、収入を増やす方法


・キャッシュアウトを最小化する方法
          

③ お金を使って、支出を減らす方法

④ お金を使って、支出を先送りする方法

⑤ お金を使わずに、支出を減らす方法

⑥ お金を使わずに、支出を先送りする方法


というか、私もいろいろ試行錯誤したが確実に上記のどれかに分類されるので、上記以外の分類は存在しないと思う(⑥だけはちょっとわからない)。

①は、「株式投資」「不動産投資」などの投資全般、あるいは「資格取得」など自身の市場価値を上げるような行為が当てはまる。

②は、「アフィリエイト」「懸賞サイト」「オンライン物販」など電子商取引全般が当てはまる(ほとんどコストがかからないため)。

③は、「クレジットカードのポイント」や「特典航空券」「株主優待」などが当てはまる。

④は、「保険商品」や「再投資型の金融商品」が当てはまる。特に税金に関していえば、元本を取り崩さない限り、課税タイミングをペンディング(繰り延べ)できる。

⑤は、単純に無駄遣いをやめる。
 

お金持ちになる方法はシンプルだ、「明日やることを今日やって、今日使うお金を明日使うこと」。

少なくとも私が富裕層と呼ばれる方々と接して思うことは、彼ら/彼女たちは大なり小なりコスト意識を持って生活しているという事実だ。

そして特に①と③の方法については今後の皆さんの人生に大きく影響を与えるので、本気で勉強されることをおすすめしたい。その理由は、やり方によっては、正の複利効果が極めて大きく、コストパフォーマンスが非常に優れているからだ。


*****

・デフレ脳からインフレ脳へ


皆さんも「インフレ」と「デフレ」という概念をご存じだと思う。

◇インフレ・・・物価が上昇し、貨幣価値が下落する。

◇デフレ・・・物価が下落し、貨幣価値が上昇する。

一般的にインフレとデフレは景気変動によって交互にやってくる。

そして、デフレはだいたい
20年くらい続き、これに対してインフレは3年程度しか続かない。

ところが、インフレ期間は短いとはいえ、デフレ期間に比べて
変動幅が圧倒的に大きい。

つまり、インフレ期間はデフレ期間に比べて圧倒的に他者と格差が広がる社会を意味する。

また両者には以下のような特徴がある。

デフレ社会では、今日よりも明日のほうが物価が下がるので、今日よりも明日買ったほうがモノが安く手に入る。つまり、人々の消費行動は後回しになる。

一方、インフレ社会では
今日よりも明日のほうが物価が上がるので、明日よりも今日買ったほうがモノが安く手に入る。つまり、人々の消費行動は先回しになる。

先日、日本に一時帰国して、日本がデフレから脱却できない理由がようやくわかった。

様々な要因があるにせよ、最大の原因は「日本人の思考回路そのものがデフレ脳になっているから」ではないだろうか?

キャッシュインとキャッシュアウトのバランス、つまりキャッシュフローを考える時、私たちの世代はまず節約を最優先に考える(傾向がある)。つまり上記の⑤の方法だ。

これは考えてみればごもっともな話で、特に
20代、30代の世代(80年代~90年代生まれ)については、日本経済がずーーーっと右肩下がりの中で育ってきたわけだから、そもそも生まれてから今までインフレを経験をしたことがないわけだ(※新興国在住者を除く)。


だから政府主導でインフレ政策をやられても、特に私たちの世代の多くは頭が付いていけないのだと思う。

すでに述べたとおり、
「悪い借金」の定義は「お金を借りて収入を売る」パターン、いわゆる自転車操業であると書いたが、日本という国自体が「負の複利効果」をモロに受けてしまっている以上、せめて個人レベルでは脳をインフレ化させ、「時間」と「金利」を味方につける方法を考えていく必要があるのではないだろうか?

そして、皆さんの財布の中を実際にインフレ化させてみることによって、今までとは違った世界を体感していただけると思う。

①と③の方法については、いくつか私がやっていることを書いてみるので参考にしていただければと思う。

ほいじゃまた~♪

鉄と粘土の王国


ネブカデネザルの治世第
2紀元前604、バビロニア帝国の統治者であったネブカデネザル王はある夜、不思議な夢を見た。神は夢の中でその結末を示されたが、朝目覚めた王はその夢の内容を忘れてしまった。

その結末はおろか、夢の内容さえもすっかり忘れてしまった王はバビロニア帝国の学者たちを集めたが、誰一人としてその夢を解き明かせた者はいなかった。

そんな中、バビロン捕囚によりエルサレムから捕虜として連れてこられたダニエルは、王の見た夢の解き明かしをする。
ダニエルの預言したネブカデネザルの夢の内容は以下の通りだ。

王は夢のなかで1つの巨大な像が立っているのを見ました。頭は純金、胸と両腕は銀、腹とももは青銅、すねは鉄でできていましたが、足の一部分は鉄、一部分は粘土でできていました。

そのうち
1つの石が山から落ちてきて、この石が像の足を打ち砕きました。すると、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな砕かれて、跡形もなくなってしまいました。

しかし、像を打ち砕いた石はどんどん大きくなって、世界中に満ちていきました—―。


kingdom of iron and clay
画像引用元:「
Bible Study Resoures


そして、ダニエルは王の見た夢を説明した後、その解き明かしを始める。


純金でできた頭はネブカデネザル王の統治するバビロニア王国のことを指し、その後に少し劣った銀でできた第2の国が興ります。

次に青銅でできた第
3の国が興って世界を治めます。その後第4の国は鉄のように強い国で、鉄が他のものを粉々に壊すように先の国々を打ち壊します。

最後に王が夢で見たのはその一部が鉄、その一部が粘土でできていました。この国はとても強いですが、一部に弱いところがあります。つまり4の国は分裂した国家のことを指し、鉄が粘土と混じり合わないように、決して一致団結することはありません。

そして最後に、神はこれらの王たちの時代にまったく別の新しい国を建てられます。その王国はこれまでの王国を打ち砕き、永遠に滅びることなく立ち続けるでしょう。

そして、1つの石が人手に寄らず山から落ちてきて、鉄も粘土も青銅も銀も金もすべて砕いてしまいます。この夢は後世に起こる出来事を王に知らせたもので、正夢であり、その解き明かしも確かです――。

*****

【民主主義の本質は愚集政治である】

6/23に実施された国民投票により、イギリスのEU離脱(ブレグジット)が国民投票によって決定した。

今回の投票はどちらに転んでもおかしくない状況だっただけに、世界中のマーケットに与えた影響は予想以上に大きく、金融マーケットは一時的にリーマンショックを彷彿とさせる大混乱に陥った。

実際に
EU離脱が行われるのは2年後の2018年とのことだが、金融マーケットというのはいつも瞬時に価格を織り込んでしまうのが、どうも厄介なところだ。

しかも、マーケットの世界は待ってましたと言わんばかりに、いい事も悪い事も立て続けに起こる。


私は米国為替報告書を参考に1ドル=102円相当が適正と捉えてポジションを管理していたので、100円を割れて来たときはさすがに驚いた。


まぁ、為替の話はひとまず置いといて...。

今回の出来事は、良くも悪くも「民主主義」の恐ろしさを私たちに教えてくれる絶好の機会となったことは間違いない。

世界中どこの国であれ、賢い人間(有識者)と愚かな人間(無知な人)は人口比率でいえば、相対的に後者のほうが圧倒的に多くなる。

したがって、多数決という方式を採用した場合、後者の意見が尊重されることになり、誤った判断をする可能性も少なからずあるわけだ。

(※
もちろん有識者が必ずしも正しい判断をするわけではないし、無知な人が必ず間違うわけではない)

ごく一部のエリートたちが行う独裁政治も問題だが、大部分の無知な民衆の意見を尊重する衆愚政治もまた問題である。「民主主義」と言えば聞こえは良いが、その実態は「衆愚政治」に他ならないのだ。


*****


【鉄と粘土が意味するものとは?】

ネブカデネザル王の見た夢と、それに対するダニエルの解き明かしを史実に当てはめて考えてみるとどうなるか、聖書は以下のように解釈しているようだ。

Nebuchadnezzars-Statue-Graph
画像引用元:「Bible Study Resoures

まず、純金の頭でできたネブカデネザルの統治する第1の国はバビロニア帝国を意味する。

1の国:バビロニア帝国(独裁政治)

バビロニア帝国
は独裁君主制により完全な統治が行われていたが、ダニエルはいつの日かこの王国が滅びることを王に伝えている。事実、紀元前539年、金の頭であるバビロニア帝国は73年に及ぶ世界制覇に終止符を打ち、滅亡した。

・第
2の国:メド・ペルシア連合帝国(
寡頭政治)

バビロニア帝国に代わり、
メド・ペルシア連合帝国が紀元前539332年までの約200年間、世界を支配することになる。しかし、団結力・統一性に欠けるこの連合帝国は金の頭ほど強固でなく銀の胸と両腕である。

・第
3の国:ギリシャ帝国(貴族政治)

クロスが指導した寡頭政治は終わり
、紀元前333年頃、アレクサンドロス率いるギリシャ帝国が誕生した。ギリシャ帝国では貴族政治が行われ、寡頭政治に比べ、 団結力がさらに劣った腹とももが青銅の国家であった。この後、紀元前275年、一都市国家にすぎなかったローマはイタリア全土を拡大。紀元前86年にはアテネを陥落させた。

・第
4の国:ローマ帝国(平民政治)

こうしてローマ皇帝(
シーザー率いるローマ帝国が誕生する。たしかにローマ帝国は強力な軍事力を誇ったが、皇帝の権威や権力は元老院と民会、つまり平民政治によって相対的に劣ってしまい、 ローマ帝国はすねが鉄でできた国に例えられる。これは鉄がもっとも庶民的な金属によることに由来する。

その後、ローマ帝国は滅びるが、ローマ法はヨーロッパ文明の基礎となり、ドイツやイギリスなどヨーロッパ諸国に影響を与えた。
彼らは、アジア・アフリカ・中南米などの植民地支配、また貿易などによる外貨獲得により世界覇権を握った。

この流れは「パックス・ロマーナ
(ローマ帝国)」に始まり、産業革命後の「パックス・ブリタニカ(大英帝国)」、第二次世界大戦後の「パックス・アメリカーナ(アメリカ)」を中心とした平和の構築へと続いていくことになる。


・第
5
の国:アメリカ合衆国

さて、
20世紀後半になるとアメリカ合衆国が世界を支配するようになった。アメリカ合衆国は圧倒的な軍事力を持つが、大統領選挙に見られるように、民主主義国家であるため、投票結果はほぼ5050のイーブンに近い結果となる。

また、移民国家であるため、様々な人種と宗教が交じり合う国でもある。彼らは有事の際は、星条旗の下に一致団結するが、その日常は分裂状態であるのが実情だ。
そのため、鉄のように固い一方、いつ分断されるかもわからない粘土のような状態であり、足が鉄と粘土でできた国と呼ぶことができる。

こうして考えてみると、
現在のヨーロッパも移民国家になりつつあり、アメリカと同じように分裂しつつあることがわかる。

*****:

EU(欧州連合)は長くは続かない


そもそも歴史を紐解いて考えてみれば、ヨーロッパが統一され、平和が保たれていた時期というのはごくわずかで、そのほとんどは争いの歴史であったといえる。

現在のヨーロッパでは、互いの国同士が歩み寄り、戦争のない平和な世界を目指して、EC(ヨーロッパ共同体)やEU(欧州連合)が設立され、ヨーロッパの統一を試みてきた。

また、政治的にも体制を統一し、ユーロをヨーロッパの基軸通貨として、彼らはかつてのローマ帝国の再来を目指しているようにも見える。

しかし、分裂したローマ帝国は、再び元の姿に戻ることはないだろう。
国同士が友好関係を築くこと自体、私は不可能だと思っている。

euro
画像引用元:「endtimesresearchministry


イデオロギーがいかに素晴らしいものであれ、それを実現できないとなれば、ただの絵に描いた餅にすぎない。

そもそも、ユーロという基軸通貨を導入したことによって、誰が最も恩恵を享受しているのかを考えてみればいい。これは明らかに
ドイツとフランスだろう。


ユーロを大量に発行し続ければ、市場に出回るユーロの発行量は供給過剰に陥ることになるから、やがてユーロは相対的に通貨安になる。



ユーロを通貨安に持っていければ、労働力や資源など、ユーロ建ての生産要素を他国よりも相対的に引き下げることができる。



ユーロ建ての生産要素を他国よりも相対的に引き下げることができるということは、
国際競争力が高まるわけだから、自国の貿易収支の黒字化が期待できる。


 

国が違うのにも関わらず、通貨が同じということは、EU(欧州連合)に近隣国家を引きずり込んでいけば、必然的にユーロという通貨の発行量が増えることになり、ユーロの通貨価値は下落する。



特に、
PIGS(ポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペイン)のようなお荷物国家を少しでも多く引きずり込むことができれば、ユーロはどんどん通貨安になっていくことになる。




赤字国債を発行しまくるような国は、足を引っ張って通貨価値を落としてくれるありがたい存在なのだから、
ドイツやフランスは労せずして、輸出で大儲けができ、貿易収支を大幅に黒字化できることになる。
 

何てことはなくて、国同士というのは、いつだってテーブルの上では握手をし、テーブルの下では足を蹴飛ばし合っているものだ。

国同士の歩み寄りなど理想論に過ぎないのであってEU(欧州連合)とはテーブルの下を覗いて見れば「鉄と粘土の王国」そのものなのだ。

*****


【世界経済はどこに向かうのか?】

イギリスはこれから大きな試練が待ち受けているだろう。

まず、金融センターとしての
ロンドンの地位は相対的に低下する、これは避けられない。スコットランドと北アイルランドは独立投票をしてEUに参加を表明する流れになるのか。イギリスは離脱派が首相になると思われるが、残留派の抵抗が待ち構えている。

こうした混乱はイギリス国民を分裂させかねず、
連合王国が崩壊する可能性さえも考えられる。特にイギリスは金融サービスのウエイトが非常に高いので、金融関係者の失業率が上がるように思う。

さらにこれに乗じて、フランスも
EU離脱の国民投票をするべきだと騒ぎだしている。経済問題よりも移民問題が論点になっているのだろう。移民によるテロ行為があったのはご存知のとおりだ。

もし、フランスが離脱した場合は、
EU(欧州連合)のツートップ体制が崩れ、ドイツとの関係が非常に複雑になる。万が一、フランスの離脱が実現してしまうと、イギリス・フランスVSドイツという、第二次世界大戦の最悪の構図に逆戻りになってしまうわけだ。

当面の間は、欧州を震源地としてリスクオフとリスクオンが交互にやって来ることになるだろうから、必然的にボラティリティは上昇局面が続く。

そうなると、アメリカは自国内の景気と世界景気のバランスを絶妙に取っていく必要があるために、金利を上げられる状況ではなくなる。むしろ利下げもありうるかもしれない。

日本は最悪
90円台まで円高が進みデフレ経済に逆戻りする。今の外部環境だと残念ながら円高の流れを喰い止めることはできない。消費税増税の延期が決まったが、むしろ減税しなければ景気が持たないかもしれない。敢えて言えば内需関連のうち、デフレ関連企業は成長が期待できそうだ。

私自身、金融取引の現場でサブプライムショックやリーマンショックを経験させてもらったが、
経済がグローバル化した現在、もはや一国の問題はその国だけの問題では済まなくなっている。

以前このブログにも書いたが、国際化と呼ばれていた時代は、各国が「桶」のようなイメージで「ひしゃく」を使って、水(お金)をすくってお互いの桶に移し合っていた。

ところが、グローバル時代というのは、地球全体が巨大な「風呂」のようになってしまったために、
浴槽の栓を誰かが引き抜いてしまうと、地球上の水(金)は栓の抜けた穴に向かって一斉に流れて消えてしまうのだ。

今や実体経済と金融経済は主従関係が完全に逆転してしまい、
実体経済は金融経済に完全に引き連られてしまっている。

マーケットで取引をされるのは構わないが、本当に暴落が襲って来たとき、約
1年遅れで景気に影響を及ぼすことを私自身、過去に学ばせてもらった。地震に例えれば、金融経済が初動のP波だとすれば、実体経済は、約1年遅れで本震のS波が到達する。くれぐれも注意してほしい。

*****

【鉄と粘土の王国】

民主主義は多数決に基づく政治であるといわれる。それは、人々が相互に検討した結果、最終決定をする場合、賛成者の多かった方をとるのが多数決の原理である、と民主主義の中では位置付けられている。

多数決の原理は少数意見を排除したり、多数の美名の下に少数意見を抑圧したりすることを意味しない。多数決の原理は必ず少数意見の尊重と不可分のものである。

たとえ、いまは少数意見であっても場合によっては多数になりうる可能性が開けているところにこの原理の特徴があるのであって、なんでもかんでも多数で押し切ることは戒められている。

なお、民主政治が成功するためには、以下の
4つの条件が必要不可欠とされている。

1に、その国の社会的・経済的条件がよくなければならない。さらに、国内において大きな脅威となるような事件が少ないということである。国民に不安感がないということが民主政治がうまく行われるための何よりの前提である。

2に、国民の心理的な態度が問題となる。つまり、国民の政治的関心が高くなければならないということである。

3に、国民の道徳的な観念と個人の責任観念の希薄なところでは民主政治は成功しない。権利ばかり主張して義務を怠るところでは秩序と平和は保たれない。

4に、平和的条件が考えられる。特に戦争においては、社会的変動性が激しくなり、民主主義と一致しなくなるからだ。民主主義は人々の平和な心の中に根ざすといえる。

そのうち1つの石が山から落ちてきて、この石が像の足を打ち砕きました。すると、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな砕かれて、跡形もなくなってしまいました。

しかし、像を打ち砕いた石はどんどん大きくなって、世界中に満ちていきました—―。


さて、ダニエル書のなかで、像を打ち砕いた石の正体は何なのだろうか?

私は少し否定的な考え方をしていて、この石の正体は「核」ではないかと思っている。

民主主義とは非常に恐ろしい一面も持っていることはすでに述べたとおりだ。

万が一、大多数の人間が「誤った方向、誤った人間」に投票してしまったら何が起こるのか?

5764aa42-1a61-4818-a83b-11365d310e86
画像引用元:「Mountainside Ripples

もうじきアメリカの大統領選挙が始まる。

もしアメリカの市民権を持っている方がいれば一言だけ言わせてほしい。



  

きちんと調べてから投票してくれ! 


(参考: イギリスEU離脱劇にみる「民主主義」の脅威
(参考: スコットランド独立機運再燃 連合崩壊の懸念
参考: 中西 寛、石田 淳国際政治学」有斐閣, 2013
参考: 上川 孝夫、藤田 誠一現代国際金融論」有斐閣, 2012

無人島には絶対に上陸できないという話


一見すると正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、受け入れがたい結論が得られる事をパラドックス(paradox)という。

Paradox
出典:「Wikipedia KW:パラドクス」より」


*****


今日の天候は晴れ。

知人に頼んで、南シナ海に浮かぶ無人島に連れて行ってもらった。


IMG_3790
無人島に上陸

IMG_3795
流木

IMG_3781
岩場

IMG_3783
原生林


これぞ無人島、手つかずの自然とは何と美しいのだろうか...


*****


でも、よくよく考えてみるとこれは明らかにおかしい。

だって上陸した瞬間に無人島ではなくなってしまうのだから
w


だから、私たちは絶対に無人島に上陸することはできない。


今から無人島に上陸しまーす♪」←この表現は
OK、まだこの島に人はいない

無人島に上陸しましたー♪」 ←この
表現NG、もはやこの島は無人島ではない


無人島への上陸、一見すると簡単そうだが、―私たちが人間であるかぎり
、絶対に実現することはできないのだ...。

正義の味方は当てにならない


先日、日本のニュースを読んでいたら「
SMAP解散か!?」という見出しが目に飛び込んできた。

どうやら大々的に公共の電波を使って「若者が老人に歯向かったらどうなるか」という実況中継が行われていたらしい。

アイドルグループのゴシップネタがトップ記事に掲載される平和な国、いつもながら消費されてすぐに消える。はずだった
...

ところが、このニュースは芸能界やSMAPファンの枠を飛び越え、多くの日本人に衝撃を与えたという。

SMAP解散報道
画像引用元:「情報操作に裏切り!SMAP解散?報道が泥沼カオス過ぎて、何が本当か分からない」より
 

この報道が「単なるゴシップネタ」として消費されることなく注目を浴びた最大の理由は、現在の日本社会が抱える閉塞感を象徴する出来事だったからだろう。

ここには、多くの日本人にとって、決して他人事とは思えない残酷な一面が浮かび上がる。

この出来事は、日本社会で慢性的な問題になっている「社畜」・「ブラック企業」・「恐怖政治」・「パワハラ」・「老害」・「世襲制」・「公開処刑」・「社会的暗殺」などといった負のエンターテイメントのオンパレードだったからだ。


*****


【与えられた自由】

SMAP
といえば、今や国民的アイドルとして不動の地位を確立し、お茶の間に絶大な影響力を持っていることは私たちの多くが知るところだろう。

それにもかかわらず、封建主義が蔓延する「芸能界」という村社会の中では、老人(所有者・オーナー)によって労働者(奴隷・労働者)の自由が束縛され、彼らでさえも業界内を自由に移動することができない現実が今回の件で浮き彫りになってしまった。

Slave-trade-shackles-001
画像引用元:「African chiefs urged to apologise for slave trade」より
 

私たちが使う「自由」という言葉には2つの意味があると思う。

ひとつは「自らの意思で能動的につかみ取った自由

もうひとつは「自らの意思によらず受動的に与えられた自由

英語のニュアンスでは、前者が Liberty 、後者が Freedom ということになるだろうか。

この枠組みで考えれば、労働者の多くが自由だと思っている多くは「与えられた自由」ということになるが、それは彼らのようなトップアイドルでさえも同様の枠組みから抜け出せずに、もがき苦しんでいることがよくわかる。

スポットライトを浴びながら私たちに夢を与え続けてくれるアイドルであっても、その夢は無数の見えない鎖で縛られた虚像であり、すなわち夢とはどこか儚いものなのかもしれない。

これは話の皮肉なところは、何といっても子どもたちに夢を与えるはずの職業に夢がないことを自らが証明してしまったところにある。

結局、クーデターは失敗し、ジャニーズ事務所から行き場を失った中居正広、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の4人は公共の電波を使って晒し刑に処せられ、同事務所の経営陣に謝罪、元サヤに収まるという茶番劇で幕を閉じる形となった。


 

生放送では本心ではないと思われる反省の言葉を述べることを強要され、権力に屈した姿は見ていて非常に気分が悪くなった。

これはまさに、自己欺瞞が蔓延する日本社会を濃縮還元したそのものではなかろうか。


まぁ、それにしても個人的な謝罪を公共電波で報道するのはどうなんだろうこれでジャニーズ事務所の経営陣が快楽を覚えていたとしたら、相当の性癖の持ち主

いずれにせよ、自慰行為を見せつけられた視聴者はたまったものではないよ...

結局、ライブドア事件や大阪都構想と同様に、マクロの構図で見れば若者が老人に負けるいつも通りのお決まりのパターンである。

私たち若者が受け取ったのは、せいぜいマンネリズムが生み出す不快極まりない安定感と老人に勝てなかったという敗北感くらいだろうか。


*****


このトラブルの発端はそもそも事務所側と
SMAPマネージャーの確執から生まれたものらしい。


【対立の構図】


・事務所側:「ジャニー喜多川(社長)」・「メリー喜多川(副社長)」・「ジュリー藤島(後継者・メリー氏の娘)」、「木村拓哉(残留希望メンバー)」

・マネージャー側:「飯島三智(マネージャー)」、「中居正広(独立希望メンバー)」・「稲垣吾郎(独立希望メンバー)」・「草なぎ剛(独立希望メンバー)」・「香取慎吾(独立希望メンバー)」
 

SMAP
画像引用元:「
SMAPの今回の騒動の経緯」より 


【対立の経緯】
 

メリー氏:「SMAPは絶対に売れないわ」

飯島氏:「SMAPをアイドルに育ててみせる」


→ 
SMAPバカ売れ


メリー氏:「まぁ大変、このままでは娘のジュリーの後継者ポジションが危ないわ」

メリー氏:「ジュリーよ、TOKIOや嵐のマネジメントをやって巻き返しなさい」

ジュリー氏:「ママわかったわ、任せて」

ジャニー氏:「まずい、派閥争いで会社に亀裂が生じる。別会社を作ってYouSMAPを管理させよう」

飯島氏:「わかりました...


飯島氏のほうがマネジメント能力は格段に高い、ジュリー氏が嫉妬


メリー氏:「(週刊誌に対して)派閥なんてないわ!そんなもん消してしまえ」

ジュリー氏:「飯島、あなたクビよ。対立するならSMAPを連れて出て行って

飯島氏:「わかりました...

 

飯島氏が独立を模索、芸能界の重鎮たちに根回しを開始


大手芸能プロ:「いいよ、うちで引き受けるよ」

飯島氏:「さぁ、みんな巣立ちの日は近いわ。独立よ!」

SMAP:「わかりました、オレたちは育ての親を選びます!」

事務所側:「え!?


キムタク説得、数日後


キムタク:「オレやっぱジャニーズ事務所に残ります」

飯島 & 4人:「マジでーーー!?

大手芸能プロ:「5人全員じゃないとダメだよ」

飯島氏 & 4人:「マジでーーー!?


独立希望メンバー行き場を失う


キムタク:「オレやっぱあいつらとやりたいっす」

メリー氏:「いいわよ、でも4人の謝罪が条件ね。しかも公共電波を使ってね!」

飯島氏:「私は身を引く、4人は事務所に戻りなさい」

4人:「...


生放送収録


4
人:「(生放送)す、すいませんでした...

キムタク:「(生放送)これからは自分たちは何があっても前を見て進みます


予想通りネット上は
2つの意見に分かれた。


・「キムタクは裏切り者、育ての親とメンバーを見捨てて寝返った

・「独立組4人は裏切り者、キムタクだけが事務所に留まった


*****


【正義の味方はあてにならない】

このトラブル、正直言って善悪という
2項対立だけで判断するのが非常に難しい問題だと思う。

なぜなら、これは彼らにとっては完全に「もらい事故」だからだ。

scales-of-justice-art-c061b98727a88b2e
画像引用元:「The Spitfire Grill」より
 

正義という言葉の意味を考えるとき、私たちはしばしばジレンマに陥ってしまう。なぜなら、正義とはそれ自体が客観性を持ち得るものではなく、あくまでも主観によって移り変わってしまう概念だからだ。

したがって、正義とは絶対的なものではなくて、いつも常識や倫理観などによって相対的に決定される。民主主義社会では一応そういうことになっている。しかし、常識や倫理観などもまた時代とともに変わる。

結果論だけで考えてしまうと、どうしても今回の件は独立組が謀反を起こしたとして悪者扱いされてしまいがちだ(現にされてしまったが、一方でネット上では事務所側が悪者扱いされているようだ。マスコミの印象操作が形骸化しているのがよくわかる)。

考えてみれば、幕末の日本だって同じことが起こっていたはずだ。

徳川幕府に忠誠を誓い幕府の存続を望んだ「佐幕派」と、鎖国状態から開放して新しい国を作るべきだと主張した「開国派」。今回の出来事は、本質を見れば同じような構図になっている。

結局、徳川家は大政を奉還し、明治という新しい時代が到来、開国派の勝利に終わった。この史実は近代日本の夜明けを象徴する歴史的な出来事であり、幕末史を勉強する時、私たちの多くは開国派の奔走する姿に傾倒する(ことが多い)。

しかし、考えてみれば、開国派がやったことの本質は薩長を主体とした外様大名の謀反そのものだ。「勝てば官軍」という言葉があるが、彼らは勝ったからこそ美化されて語られることが多いものの、負けていたら全員が切腹を命じられていただろう。

こうした事例は私たちに善悪で物事を判断することの虚しさを教えてくれる。

いつだって世の中には一方があり、他方がある。

すべては相対的、これだから正義の味方はあてにならないのだ


 


*****


【おわりに】

ギリシャ神話によれば、ダイダロスとイカロスの親子はミノス王の怒りを買い、迷宮に幽閉されてしまう。迷宮を抜け出すために、彼らは蝋(ろう)で鳥の羽根を固めて翼をつくり、空を飛んで脱出した。

父ダイダロスは、息子のイカロスに忠告する。

「イカロスよ、海面に近付きすぎてはいけないよ、あまり低く飛び過ぎると蝋が湿気でバラバラになってしまうからね。それに太陽にも近付いてはいけないよ、あまり高く飛び過ぎると太陽の熱で溶けてしまうからね。いいかい、空の中くらいの高さを飛ぶんだ」。

しかし、自由自在に空を飛べる翼を手にしたイカロスは自らを過信してしまい、太陽にも到達できるという傲慢さから太陽神ヘリオスに向かって飛んでいった。

その結果、太陽の熱で蝋が溶けてしまい、イカロスは墜落死した。

この物語は、「人間の傲慢さが自らの破滅を導く」という戒めと「自らの手で翼を作り飛び立ったイカロスの勇気を褒め称える」という称賛の2つの教訓を含んでいるようだ。

そう、この教訓は見方によってはいずれも正しいということ。

だけど
...

あなたが理不尽極まりない封建社会を生きる道を選んだのなら「長いものには巻かれろ」ではなく、とりあえず「巻かれたふりをしろ」が正解なのかもしれない。

面倒くさい世の中だけど、
Youたち...




笑顔抱きしめ カラダに活力(ちから)

辛いことなら 弾きとばせ

君が微笑えば 周囲(まわり)の人だって

いつの間にかしあわせになる

SMAPオリジナルスマイル」)


Youたち、っちゃいなよ!!

(参考: 
The Huffinton PostSMAP解散騒動に見る夢のある職業とは」)
(参考: アゴラ言論プラットフォーム「奴隷はなぜ逃げないのか-SMAP独立騒動から」)
(参考: 日刊スポーツ「SMAP解散報道から1週間/騒動経過まとめ」) 
プロフィール
Twitter
社交的な人見知り
記事一覧
記事検索
アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ